遺言書が必要な場合とは?

「内縁(事実婚関係)の妻(夫)の相続割合はどれくらいでしょうか」と聞かれることがあります。

皆様はどう思われますでしょうか?

実は、内縁関係の妻(夫)には全く相続権がありません。

生前において、内縁関係が終了した場合、判例では、事実婚も法律婚も生活実態にほとんど差異がないといえるため、『内縁・事実婚関係について、法律婚に準じた法的保護がされる』としています(準婚理論)。 内縁・事実婚においても、パートナーとの関係解消の場面では離婚の場合と同様に財産分与請求権が認められているため、勘違いされる方が多いのですが、相続となると話は別で、内縁・事実婚のパートナーには一切、相続権が認められていないのです。

この結論に対して、『内縁・事実婚のパートナーの地位が保護されるべきなのは、離婚でも相続でも変わらない。離婚の場合と同様の財産分与請求権の行使を相続時にも認めるべき』などの声もあったようです。

しかしながら、現在の法律では、内縁・事実婚のパートナーには相続権はないため、いずれにせよ、現状、内縁・事実婚のパートナーに遺産を承継させたい場合には、“生前贈与”や“遺言書の作成”といった対策を事前に行なっておく必要があります。

現行法に即した対策を講じておこう!

“内縁・事実婚”だけではなく、社会の意識は、現在の民法が制定された時から比べて、かなり変化しつつあります。
しかし、現在の法制度を変えるにしても、どこでルールの線引きをするかは難しい問題です。

社会制度の変化を期待するだけではなく、現在の状況を前提に『万が一に備えて、どのような手段があるのかを知り、対策を講じておくこと』が重要です。

財産分与や相続についてお悩みの際は、専門家へお問い合わせください。