高齢者施設などへの入所を希望し身元保証人が必要となった場合、成年後見人に身元保証人を兼任してほしいと考える方も多いのではないでしょうか?

結論から申し上げると、成年後見人が身元保証人になることはできません。

それはなぜなのか?また、後見人の役割や、後見人になるために家族でも求められる条件について解説していきます。

成年後見人が身元保証人になれない理由とは?

成年後見人とは「法定代理人」であり、施設への入居手続きの代行や、使用料などの支払い手続きの代行を行います。

それに対し、身元保証人は費用滞納の保証を、もしも何か損害を与えた場合の保証をする役割があります。

つまり、成年後見人は、本人に代わり「法律行為」を行う立場であり、本人に対する「身元保証」を行う立場にはないのです。

また、身元保証人は保証のために立て替えた費用を本人に請求することができるため、成年後見人が身元保証人を兼ねた場合、本人の利益を守る立場にある成年後見人が、本人に請求するというチグハグな関係となってしまうため、兼任は好ましくないということになっています。

成年後見人になるための条件とは?家族以外がなるメリットは?

成年後見制度の利用を検討する上で多いご質問に「誰が成年後見人になれるのか?」というものがあります。

後見人は家庭裁判所が本人の身上監護、財産管理を正しく行える人を選びます。

選任にあたっては、本人の心身の状態や財産の状況、後見人候補者の職業や経歴、本人との利害関係や本人の希望など、様々な条件が考慮されます。家族が選任される場合もあれば、弁護士や司法書士などの専門家が選ばれる場合もあり、家族が後見人になることを希望していても必ずなれるとは限りません。

専門家が後見人になった場合、法律問題に詳しいことから後見業務がスムーズに行える、親族間でのトラブルを回避できるなどのメリットもあります。

ただし、その場合は、合わせて報酬が発生することを視野に入れておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?誤解の多い成年後見人と身元保証人の兼任について両者の立場の違いから解説しました。

また、後見人になるための条件や、近年増加している家族以外に後見人を任せる選択肢のメリットについてもお話しました。

検討の際の参考にして頂ければ幸いです。