今回は「遺留分(いりゅうぶん)」についてご説明したいと思います。

本来、財産をどのように相続(遺贈)させるかは、本人の自由ですが、相続人の間での公平を図る制度もあります。それが「遺留分」制度です。

死亡した後の処分は、遺言によって行うことが可能です。遺言は遺言者自身だけが作成でき、相続人の意見を考慮する必要はありません。

しかしながら、遺言による財産処分には何ら制限がないというわけではないのです。

例えば、被相続人である男性が土地と建物を所有して、再婚した妻と一緒に住んでいたとしましょう。

男性が「土地と建物を妻に遺贈する」旨の遺言書を作成して亡くなった場合、土地と建物は、遺言通り妻のものになります。

もし男性に先妻との間に子供が一人いたとすると、子どもには遺留分(この場合4分の1)の請求権があります。そのため被相続人である男性は、相続人である妻のために一定の相続財産を留保しておく必要があります。

なお、請求権はあくまで権利ですので、この権利を行使しなくても構いません。

■遺留分を主張できる者と遺留分の割合
遺留分を主張することができる者は、「配偶者」「子」「直系尊属」だけで、兄弟姉妹は含まれていません。

■遺留分減殺請求の期間制限
遺留分減殺請求権は、遺留分減殺請求することができる者が、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知ったときから、1年で消滅します(知らなくても、相続開始の時から10年で消滅します)

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