相続争いを避ける方法!「どこにどんな財産があるか分からない」ケース

相続人間で揉めてしまいそうな場合、財産の分け方について、頭で考えているだけでは、相続争いを防ぐというところまでいたりません。

相続争いに発展することを防ぐため、事例をみながら考えてみましょう。

  

「どこにどんな財産があるかわからない」ケース

相続争いになる原因のトップは「遺産分割」です。

ご本人も、自分の財産がどのくらいあるのか、把握していない場合も多く、相続がスタートしてから、相続人が遺品を片付けしていたら、通帳がタンスの中から出てきたとか、証券会社から連絡があって初めて故人が株式を持っていたことがわかった、土地の権利書がタンスの奥にしまってあって後になってから気がついたなど、さまざまなケースがあります。

実は財産の全貌がわからず、あとから財産が見つかったことで、遺産分割がスムーズに決まらず、相続争いに発展するケースも珍しくはないのです。

由美さんのケース

“由美さんのお子さんは3人です。由美さんは60歳を過ぎたあたりからアルツハイマー型認知症にかかってしまい、介護が必要な状態になりました。

当時、由美さんは都内に自宅を持っており、長女のAさんと同居していました。

長男のBさん、次男のCさんはそれぞれ独立して家庭を持っていたため、由美さんの介護は必然的にAさんが行わなければならなくなりました。

Aさんは都内の大手メーカーに就職していましたが、現在のように介護制度が確立されていなかったため、Aさんの苦労は並大抵のものではありませんでした。

由美さんの病状が進行し、徘徊を繰り返すようになったため、仕事をもっているAさんの手に負えなくなってしまいました。そこで、Aさんは由美さんを特別養護老人ホームに預けることにしました。数年後、由美さんはホームで亡くなりました。

そして、相続がはじまると、由美さんの遺産を巡って争いが始まったのです。

 

由美さんの主な財産は「不動産」でした。

調べてみると、自宅の評価額は5000万円。

すでに由美さんは配偶者である夫を病気で亡くしていたので、きょうだい3人で遺産を相続することになります。当初、長男のBさんは自宅を売却して、3人で均等に分けようと持ちかけました。

ところが、介護で苦労したAさんは、自分の相続分を多くしてほしいと主張します。それに対してBさんは、由美さんの最後までみていなかったと反対しました。

 

「だって、兄さんたちは、お母さんの面倒をまったくみなかったじゃない!

泣きながら訴えるAさんに対して、兄たちの言葉はあまりに非情でした。

 

「子供が親の面倒をみるのは当たり前なんだ。一緒に住んでいたんだからそれくらいのことをすべきだろう。

しかも、母さんの預金通帳を調べたら、毎月15万円ずつ引き落とされているじゃないか。施設費用と考えても、ちょっと多すぎるだろう。いろいろ考えたけれど、お前が多くもらうのは納得できない」

BさんとCさんは、Aさんが由美さんの口座から引き落とししていたお金は、一部の相続人が被相続人から遺産を特別に前渡しされたとして考えられる「特別受益」ではないかと指摘したのです。

 

結局兄弟姉妹で話し合って議論が進まないので、弁護士に依頼することになりました。

弁護士を介しての話し合いの末、自宅を売却し、Aさんが2000万円、BさんとCさんで1500万円ずつ分けることにしました。

 

遺産分割がすんだのもつかの間・・

その後、長男のBさんが由美さんの財産を隠していたことが判明します。

由美さんは栃木県の山の中に不動産を持っていて、それをある人に貸していたのです。

その管理をBさんに任せていたのですが、由美さんがアルツハイマー型認知症にかかってから、遺産として兄弟姉妹に知らせず、あろうことか家賃収入を独り占めしていたということでした。

この不動産と家賃収入を巡って、きょうだい間でふたたび争いが始まったのです。調べてみたところ不動産の評価額は1000万円。由美さんが認知症になったのは8年前。それまでの家賃収入は400万円にも上るとされています。

 

Bさんは家のローンを抱え、多額の借金があったためか、話し合いに応じようとしません。そればかりか生前、由美さんがBさんに栃木県の不動産を渡す約束をしたと言い張るのです。

この不動産と家賃収入を巡って、今度は裁判が行われました。結局、由美さんの遺言が確認できず、不動産は売却され、その現金800万円を2等分にし、AさんとCさんで400万円ずつ受け取ることになりました。

 

こうして争いは決着したのですが、数度にわたる裁判によって、兄弟姉妹間には埋めようのない「溝」ができてしまいました。””

事前にできる準備があります

もちろん、由美さんが認知症にかかってしまったのは、避けようのないことだったでしょう。

しかし、仮に由美さんが事前に自分の財産を調べて、財産目録を作り、遺言書とともに信頼できる専門家に委託しておけば、裁判にまで発展することはなかったかもしれません。

相続財産の全貌が不明確な場合は「相続手続パートナーさいたま」にお気軽にご相談ください。

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